東電 売却後 尾瀬保全スキーム


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5/14 群馬県知事、尾瀬の売却は「絶対阻止」/尾瀬保全スキーム  
     
   仕事後のひととき、ネット検索をしていたらこの記事を見つけました。穏やかな発言ではありませんね。
毎日jp YOMIURI ONLION 5/12
 上記の記事を元に群馬県知事の発言に対し少々コメント。環境保護費用を払いたくない、雇用が減る、法人住民税・事業税・消費税等の税収が減るので困ると正直に言えばいいのに。尾瀬の重要性と話をすりかえても、上記思惑が見え透いていて痛々しい。

「東電の尾瀬売却が浮上 代わりに誰が自然を守るのか」yahoo 5/13
 そもそも国立公園の維持管理に、億単位の金をかけることが異常だということからスタートしなければなりません。もう3/11以降日本は変わりました。東電が尾瀬の地主でなければ環境保全はできないのでしょうか?大沢正明群馬県知事さん。コスト意識のない一部自然保護団体等の主張は、利権がらみも多いので真に受ける必要性はないですし、東電は原発と引き替えに尾瀬を広告宣伝材料として資金投入していただけだと再認識すべきです。

 前回も書きましたが、尾瀬沼三平下の水利権を放棄せず何らコメントしないのが彼らの本音。沼尻にある堰のため沼尻川は人工的に水量を調整され流水量は減少したままであり、反対に三平下の水門から取水しているため片品川の流量は増加している。本来尾瀬沼の水は沼尻川を通り日本海側へ流れるのですが、沼尻の水門を上げていないので台風時のオーバーフローを除き太平洋側に全て流れてしまっているのが現状。水門があるため水位は上がったままなので、尾瀬沼の水辺周辺の植生は未だに攪乱され回復の兆しすら見えません。

 5/13枝野官房長官が銀行に東電向けの債権放棄を求める趣旨の発言をしました。これが実現化すれば、銀行は追加融資をためらうわけで再建計画に支障をきたし、いよいよもって尾瀬売却が現実味を帯びてきます。

 それでは、東電が尾瀬の所有権を国に移転したと仮定した、その後の尾瀬保全スキームについて簡単ではございますが述べさせて頂きます。以後の記述は私見ですので、話半分で読んで頂ければ幸いです。ちなみに、開発行為等の予定がない国への所有権移転であれば、自然保護法上問題はありませんし、都市計画区域外ですから都市計画法上も問題はない。せいぜい東電小屋の地目が畑になっている所くらいか(今回調べてみて「畑」があることにビックリ)。国が特別保護地区で登記簿謄本上、地目が畑である場所を所有するにあたり、農業委員会を通す事例を知らないのでよく分かりませんが、所定の手続きをすれば問題ないでしょう。

 尾瀬ヶ原の木道がどのようなルートを辿っているのかご存じですよね。湿原の「ど真ん中」を突っ切っております。木道を敷設したがゆえ、泥炭表層の地下水が浮き出て(いわゆる液状化)木道沿いに不自然なミズバショウやカキツバタ、ニッコウキスゲ、サワギキョウなどが生育するいびつな環境が作出されてしまっている。なぜ、「ど真ん中」に木道を設置し続けているのかというと、理由は単純明快で観光客(金を落とす人)のためだから。尾瀬ヶ原のど真ん中を見たい観光客がいっぱい来るから、湿原保護を度外視して継続している。「保護と適正利用?」違う違う、金が欲しい、利便性追求、ただそれだけ。戦場ヶ原と同じです。

 閲覧者の皆様は、今回の震災による津波で水というものの破壊力を嫌と言うほど見られたと思います。水の被害は尾瀬も同様であり、台風シーズンになれば尾瀬ヶ原は冠水し、木道が浮かんで流されるという事態が毎年発生しております。つまり、改修工事に余計な金がかかるということ。そこで近年、木道の高架化が進められているのですが、当然金も倍以上かかるわけで、これですら流されたりもします。
 ギネスブックに世界一と載った釜石市の堤防や田老町の堤防等堅牢に造っていたにもかかわらず破壊された状況をみるに、高架化の工法は果たして正しかったのか?自然に逆らい木道を湿原中央に敷設すべきだったのか?一考すべきではないでしょうか。木道敷設をしなければ、金もかかりませんから東電に頼る必要もない、尾瀬ヶ原のいびつな植生も回復される。

 専門家から尾瀬ヶ原の南側山裾に登山道を敷設してはどうかという提案が、以前よりあるのをご存じでしょうか?正論であり私も賛同しますが、観光面から全くクローズアップされておりません。山裾に沿って登山道を新たに造れば、初期費用はかかりますが長期的視点に立てば木道敷設に係るコストは大幅に下がるわけですし、「保護と適正利用」に合致する。東電ベッタリの体質も改善。

 私はゴールデンウィークの積雪期を利用して、尾瀬ヶ原の山裾全域を10年以上かけて歩いてきました。その経験を元に発言させていただくなら、山裾こそ尾瀬ヶ原を知るキーワードが散りばめられており、その重要性を理解することができる。扇状地の集合体である尾瀬ヶ原の成り立ちや氾濫原の状況を観察することができる山裾ルートは、尾瀬ヶ原の自然を知るには絶好であると考えます。

 湿原中央からの尾瀬ヶ原を見たいのであれば、以下に限定するという案はいかがでしょうか。山ノ鼻〜上ノ大堀川までは地塘が一番多く浮島もあり学術的価値も高いことから木道は継続。龍宮小屋〜下ノ大堀川については、龍宮小屋周辺が湧き水の関係から特異な植生をしていること、尾瀬ヶ原の下を縦横無尽に走る地下水脈を見ることの出来る竜宮があること、下ノ大堀川は尾瀬ヶ原の人気撮影スポットであることと後背湿地型の湿原を観察できること、龍宮小屋の登山者救助の重要性から木道は継続。

 上記以外の中田代と見本園は、氾濫の被害が桁違いに多く改修工事費がかさむので廃止。具体的には上ノ大堀〜牛首〜ヨッピ吊橋〜竜宮、牛首〜下ノ大堀川。中田代はニッコウキスゲの群落やヤチダモ群落、ツルコケモモーミズゴケの群落があるから木道は必要との声もあるでしょうが、そんなこと聞き入れていたらキリがないので却下ですわ。

 東電小屋方面ですか?売却される仮定で書いていますし、ヨッピ吊橋〜東電尾瀬橋は管理費がかかる、尾瀬でクマの生活圏(景鶴山、与作岳含む)として最も重要度の高いエリアですから、当然廃止でしょう。みなさんクマちゃん大好きでしょ?のんびり親子で過ごさせましょうよ。それと、人がクマに襲われるリスクは減りますから、財団職員による巡回と情報収集の必要性も減るメリットがある。

 龍宮小屋〜見晴は高層湿原の様子が分かるのと氾濫の被害が少ないこと、また、山裾にルート変更した場合、急峻地・沼尻川・八木沢の湿原がある関係から現実的ではなく木道維持でいいでしょう。見晴〜温泉小屋にある赤田代は沼沢化型湿原を観察できることと湧き水の関係から特異な植生が展開されていること、氾濫の被害が少ないこと、三条ノ滝へのルート確保の関係から木道維持。

 至仏山東面登山道は木道整備に多額の資金拠出を要するため、高天ケ原〜尾瀬ヶ原は廃道。どうしてもそれは嫌というのなら、反対者は自腹を切るか北アルプスのように石積方式の階段を造ってはいかがか。

 湿原を除く燧裏林道、鳩待通り、段小屋坂、尾瀬沼北岸、御池〜燧ヶ岳のほか、登山道のみの段吉新道、長沢、一ノ瀬〜尾瀬沼は予算が余ったら木道の改修工事をするが、原則改修工事はしない。尾瀬沼南岸は急斜面が多く雪の影響で木道が壊れやすいため大清水平分岐〜小沼湿原は廃道。さすがに鳩待〜山ノ鼻と沼山峠〜尾瀬沼は入山者数が突出していることから木道は維持。

 根本的な問題なのですが、今の尾瀬は過剰な木道敷設が多すぎるのではなかろうか。入山者が減少傾向にあるのに、未だ平成8年頃の60万人を想定した工事を続けている。首都圏で芸能人やらB級グルメやら様々なイベントが催されておりますが、一日で30〜40万人以上来ることは珍しくもなくなっている。それに対し、尾瀬の年間利用者は平成15年度以降1年間で30万人台。

 まともな登山の格好をしないツアー客の安全対策ために、金を投入する必要があるのだろうか。自然保護は人が入らないことが一番であり、シカ対策を最重要課題にしなければなりません。山は自己責任であることを徹底的に周知させ、善管注意義務違反を問われないよう法的武装をしっかりするとともに、骨折しようが打撲しようが怪我による搬送代は「時価」で請求すればよいのです。

 再度申し上げますが、3/11以降日本は変わりました。木道敷設を含め環境保護関連の予算がないのなら、頭を捻ってなるべく環境負荷がかからないコスト削減方法を見出さなければなりません。

 前小寺知事から始まった小学生の尾瀬学習へ振り向けている予算を、尾瀬の環境保護に回すぐらいの器量はないのかな、今の知事は。環境学習も大事だが、今の小学生は基礎学力を身につける方が重要だと思う。

 それと全国から学者を呼んで不要な調査費や表彰費等を拠出しないこと。今回の震災で嫌と言うほど金に釣られる御用学者を見てきたので必要ありません。アドバイスするだけで後処理を一切しない自称経営コンサルタントみたいなもの。尾瀬保護専門委員だけで充分。植生保護に関しては人件費のかかる尾瀬林業に任せず全てボランティアで実施。その際は、尾瀬保護財団と環境省が主導となって指揮する本来あるべき姿を見せればよいのです。

 木道敷設に係る工事は湿原の踏みつけや樹林帯での低木・草本・シダ類を痛めつけるため環境負荷が高いですし、ほぼ全域に木道があるのも異様な光景。腰にも悪いし土の軟らかさを実感できる登山道の方が、自然を満喫できる。尾瀬は過保護すぎで観光客に迎合し過ぎ。尾瀬はディズニーのようなテーマパークではありません。木道のない登山道にある大木周辺はロープで立ち入り禁止にすればいいですし、緩斜面や平地は登山道が拡大しないよう道の両脇にロープを張ったり、ルートを5年から10年単位で移動させる微調整をしてもよいのでは。

 ど真ん中に木道敷設などするから無駄なコストがかかっているのであり、尾瀬の地下水脈を攪乱している。植生を乱す原因となっている木道敷設を継続する理由が、どうしても見出せません。湿原中央に木道があるという常識が非常識であるという現実に、いい加減気づきましょう。以上を実行すれば、東電が発表する2億円もの維持費はかかりません。

 さて、東電の発表する2億円の維持費につき、多くの人がまともに信用し疑わない現実に危機感を抱きます。数字なんぞいくらでもいじられるんですけど。数字というのは説得力がありまして、正確だと無意識に納得させてしまう力がある。原発で嫌と言うほど隠蔽体質の東電の企業実態を見せつけられているのに、内容も分からずして何で信用してしまうのだろうか。交際費や福利厚生費、会議費、広告宣伝費、消耗品費等、保護と直接関係ない費用が混じっていたり、予算消化のため無駄に不必要な支出が計上されていたり、尾瀬林業職員の給与が入っているのではと疑いたくなるし、木道に使用するカラマツの原価算出方法もどのようにしているのか。
 なお、片品村に納付する固定資産税ですが、特別保護地区と第一種特別地域は地方税法に非課税規定があり、第二種特別地域は環境省通知により軽減措置がとられていることから、莫大な負担がかかっているわけではないようです(地方税法348条2項7号の2、自然公園法21条1項、地方税法施行規則10条の5、自然公園法施行規則9条の2第1号)。

 登山道整備の維持費についてですが、以前よりくすぶっている入山料を登山道整備目的として徴収するしかないでしょう。片品村や檜枝岐村の観光産業関連者が反対するのであれば、登山道や木道整備をしなければよい。反対すれば己の首を絞めるだけという状況になるのを知ったほうがいいかもしれません。徴収料金に関しては至仏山3,500円、鳩待峠2,500円、沼山峠2,000円、大清水、御池は1,500円、それ以外は徴収コストと分散化のメリットを考え無料。上記金額を入山料として平成22年度入山者数347,000人の内訳から試算すると、7億2千7百万円もの予算が計上できる。これは目一杯の上限と想定しておりますから、少なく見積もっても2億円なんぞ余裕で越えるのは確実でしょう。

 今回は自由に私見を述べさせて頂きましたが、結局のところ入山料を徴収すれば環境保護関連費は従来以上に賄えるのであり、木道を廃止する必要性もないことは明らか。あとは、片品村と檜枝岐村の観光産業関連者の考え方次第ということ。尾瀬自体は世界に誇れる国立公園としての潜在力と魅力はありますし、国内だけでなく海外へ向けて今後はアピールしていくのも大事かと。

 片品村はスキー場が多い関係で若者等外部者に対する受け入れが寛容であり、心も温かい。私は住んでいたので、この点は強調したい。片品村を出て随分経ちますが、未だ通うのは好きだから。原発で困っている福島の人達を大量に受け入れた心意気はみんな知っているのですから、尾瀬の保護政策にも一歩進んでいただきたいと願う。檜枝岐村については、裁ちソバを筆頭に山菜料理・キノコ料理・サンショウウオなど採取したものばかりで市場に出回らない料理がどの宿でも当たり前に出てくる。村が一丸となって均一な、しかも手間のかかる客へのもてなしをしている所は、日本全国探してもそうそうあるものではないと常々関心しております。登山もいいが、すばらしい温泉と料理があるから通ってしまうのですよ。