温泉小屋〜三条ノ滝



尾瀬目次へ戻る トップページ



平滑ノ滝(ひらなめのたき)
 

 平滑ノ滝は与作岳の溶岩が押し出されてできたもので、安山岩が主。安山岩は非常に堅いので、侵食されず今でも溶岩流の形状を残しているかのように一枚岩の上を水が流れています。
 与作岳の溶岩が流れた形跡をわかりやすく示した場所があります。温泉小屋から至仏山方面を眺めると、牛首のように突き出た小高い山が右から侵入してきているはずです。東電小屋のある辺りで燧ヶ岳からもよくわかります。従来は燧ヶ岳の溶岩流により平滑ノ滝が形成されたといわれてきましたが、現在では与作岳がキーワードになっているようです。
 上から眺めると、いまいち落差が実感できず平らな滝のように見えますが、落差は70.5mもあります。


雪代期の平滑ノ滝



三條ノ滝

 
左が雪代期の春、右が渇水期の夏

 三条ノ滝の名前の由来は、写真右のように渇水期になると滝が3つの筋(条)になって流れ落ちることからつきました。名前の由来どおり確認したいのであれば夏場に来られた方がいいですが、やはり早春の迫力ある滝のほうがお勧めです。
 落差は72.8mありますが、なぜこれほど落差のある滝ができたのか?
 それは平滑ノ滝同様、与作岳の溶岩流が関係しております。三条ノ滝の上側まで堅い岩盤の安山岩が押し流されてきたため侵食されなかったのですが、滝の下流は岩盤の脆い花崗岩で形成されているため、徐々に侵食されてこれだけの落差になってしまったのです。水の侵食能力というのは凄いものですね。
 そして三条ノ滝の凄い所は、尾瀬全体の水が集結して流れ落ちているということ。尾瀬ヶ原だけでなく尾瀬沼の水も最終的には三条ノ滝を流れていくため、決して涸れることはありません。
 尾瀬ヶ原の形成は、燧ヶ岳の溶岩流によって只見川がせき止められたためと言われてきましたが、どうも三条ノ滝の形成過程をみると、与作岳の溶岩流がポイントとなってきていると最近は言われています。つまり三条ノ滝は景観もさることながら、尾瀬ヶ原形成のキーワードとなる重要な場所であるともいえるのです。そのような歴史を顧みながら三条ノ滝を眺めてみれば、より一層感慨深いものとなるのではないでしょうか。
 このルートの植物として代表的なのがオオタカネバラとハクセンナズナ。ただ、少数しか見られないので見つけるのはちょっと難しいかもしれません。なお、平滑ノ滝から下って直ぐの沢にはシラネアオイが咲いていますので、時期が合えば出会えるかもしれませんよ。