オオゴマシジミ

 

*シジミチョウ科ヒメシジミ亜科
*出現時期…7月〜8月
*食草…カメバヒキオコシ、クロバナヒキオコシ
*発見難易度…☆☆☆☆☆
*レッドリスト…群馬県評価(絶滅危惧泓゙)、国評価(準絶滅危惧)

 現在、尾瀬において貴重とされるチョウにベニヒカゲが挙げられますが、ベニヒカゲの生息する主な場所は森林限界を超えた高山帯。そのため盗採リスクも少なく食草も守られているので安心といえますが、ことオオゴマシジミは別。環境省のレッドリストには準絶滅危惧となっていますが、事態はそんなに甘くはない。絶滅危惧(特)類に充分入るほどの危機的状況です。
 昔は道ばたでも楽して採れたというオオゴマシジミですが、道路工事やマニアによる捕獲により全く見られなくなってしまいました。特に古くから知られている産地は今でもマニアが大きな網を持ってやってくるので始末が悪いです。「少ないんだから採るな!」。しかし、彼らにとって希少性が高まるほど採集意欲が増大するため、聞く耳さえ持ちません。あまりにモラルがなさすぎる。

 捕獲者以外に深刻なのがシカの増大。「オオゴマシジミとシカ」何か繋がりがあるの?と思われる方も大勢いらっしゃると思いますが、とてつもない脅威を与えているのです。
 上に記しているようにオオゴマシジミの食草はカメバヒキオコシ。このカメバヒキオコシをシカが猛烈な勢いで食い荒らしているのです。さらに集団でやってくるのでカメバヒキオコシの群落を踏みつぶしてしまっています。この被害も無視できない状況ですね。せめてオオゴマシジミの生息するエリアだけでもシカの侵入を防ぐことができないものか。しかし、保護してますなんてロープを張ったり看板を立てたらマニアに「ここにいます」と教えているようなもの。

 オオゴマシジミというのは特異な習性を持っており、4齢の幼虫までカメバヒキオコシの花を食べますが、その後はシワクシケアリによって巣まで運ばれシワクシケアリの幼虫を食べるのです。肉食蝶と言われるゆえんはここからきているんですね。
 つまり、オオゴマシジミにとっては食草のカメバヒキオコシ以外にシワクシケアリの生息する環境でなければ生きていけないということ。このシワクシケアリは朽ちた大木に巣を作るため、カメバヒキオコシの群落内に倒木があることも条件となります。ではカメバヒキオコシと倒木、シワクシケアリが揃っていれば生育するのか?というとそういうわけでもありません。現状では非常に限定された条件をクリアーしなければ生息できないようで、マニアの入らない山奥でひっそりと暮らしています。 

 多くの本やネットにおいて、オオゴマシジミのホストはヤマアシナガアリと記載されておりますが、これはヤマトアシナガアリではなくシワクシケアリであるとのこと。
 50年以上にわたりオオゴマシジミの生態について研究され、日本におけるオオゴマシジミの第一人者である平賀壯太先生(医師、現研究場所 京都大学医学研究科 放射線遺伝学)から宿主アリについての論文をいただきました。
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