尾瀬の天気を読む



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1、尾瀬ヶ原

(1)雨の降るケース

 尾瀬ヶ原は基本的に至仏山側からの風が吹いております。それは、至仏山が尾瀬ヶ原の西方に位置するためであり、この至仏山の雲の状況で天気が判断できます。
 通常、西からの風が至仏山の西面にぶつかり上昇気流が発生するため、午後には至仏山の頂上が笠雲で被われてしまいます。これは晴れている時にも発生するので頂上が雲に被われていても即、雨というわけではありません。もちろん、低気圧通過後高気圧に被われている時は雲ひとつありませんが。
 次第に至仏山が雲にどんどん被われ、見えなくなってしまったら尾瀬ヶ原にも雨が降ってくる確率が高くなってきます。カッパの用意はいいでしょうか?さらに辺りが暗くなってくればもう降ります。
 逆にいうと雨が降っており、至仏山が見え始め辺りが明るくなってきたら、晴れ間がのぞいてくる可能性が高まります。ようやくむさ苦しいカッパを脱ぐことができるのもあとわずかでしょう。
 よく朝霧が発生すると晴れるといいますが、五分五分といったところでしょうか。尾瀬に朝霧はつきものですが、雨を降らせる雲も尾瀬ヶ原に立ち篭めていることもありますので、必ず晴れるわけではありません。朝霧であることを判断できるのは 尾瀬ヶ原に立っている限り難しいですが鳩待峠やアヤメ平にいれば分かります。では、尾瀬ヶ原にいるときは、どうやって判断したらよいか?
 一概にはいえませんが、上空の一部が晴れているのなら単なる朝霧と考えて間違いないので晴れるでしょう。ただし、朝霧の上に雲があったり、朝霧がそのまま上昇して雲になった場合には雨の降る確率が高まります。とくに燧ヶ岳に登るため前日見晴に泊まっている場合はみなさん気になるところです。この場合、自分で判断しても心もとないでしょうから、天気予報をラジオで聞くしかありません。ラジオのない方は、尾瀬小屋に公衆電話がありますので、午後6時の気象状況を聞いてみるのも手です。ここからの電話だと南会津の気象状況を聞くことができます。

(2)雷雨のケース

 下田代で雷雨にあっても上田代ではなんともないということがよくありますので、午後から行くルートに近い山を見て判断するのが得策です(午前中に尾瀬を出るのなら雷雨の心配はないでしょう)。ただし、落雷の電流は水平に10kmも走ることがあるそうなので、すべての山を見ることをお勧めします。自分のいる地点で雨が降っていなくとも、他で雷が発生していれば尾瀬ヶ原全体が落雷の危険性に満ちあふれていることを忘れずに!
 どこでも共通していることですが雷雲は北からやってきます。尾瀬ヶ原についても同様で北側の山の雲の状況を見ることが大事ですし、3〜4日前から雷が発生しているときは今日も発生すると考えた方がいいかもしれません。

上田代

 午後上田代にいる予定の場合、見るべき山はススケ峰や大白沢山など至仏山の右手の山になります。念のため景鶴山も見ておけば間違いないでしょう。真っ黒い雷雲がどんどん膨れ上がり、至仏山にかかりはじめたら一気に降ってきます。この雲が現れ始めたら山ノ鼻まで急いで行きましょう。

中田代

 中田代の場合、景鶴山や与作岳が見るべき山となります。ただ、只見川沿いからやってくる雷雲にも注意したほうがいいでしょう。中田代は避難場所が竜宮小屋か東電小屋しかありませんので、早めの判断が必要になります。

下田代(赤田代)

 午後下田代へ向かう場合、または三条ノ滝へ行く場合は、燧ヶ岳と与作岳の間の谷筋(只見川)の先を見ることになります。三条ノ滝へ行くと樹林帯に入ってしまい判断できなくなるので、温泉小屋に着くまでに雲の状況を必ず見るようにしましょう。

 

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2、至仏山、アヤメ平、燧ヶ岳

 山岳地帯については、上述のとおり北側の雲に注意すべきですが、いきなりその山自体から発生することもあります。標高2000m以上の山での雷は目の前で『ドカーン』ときますし、稲妻が横に走ってくるため生きた心地がしません。
 当たり前のことですが、早朝出発と1時頃には下山できる計画を立ててください。これ以外、予防方法はないでしょう。
 ちなみに、よく言われる予測方法ですがAMラジオの電波に雑音が入ると雷雲が約50kmに近付いており、雷鳴が聞こえるまで90分程。さらにゴロゴロ聞こえ始めると10km範囲に近付いた時で、落雷の危険が間近に迫っているといわれています。



3、生物による天気予報

 次に生物の行動から天気を予測するという昔のいわれの的中率について述べたいと思います。

(1)セミが鳴き出すと雨がやむ

 これはかなりの確率で当たっていると思いますので、フィールドに出た時意識してセミの鳴き声に耳を傾けてみてください。セミって頭いいな〜と感動するはずです。

(2)蚊やブユが騒ぐ

 騒ぐとは蚊やブユがやたら発生するということで、これも案外当たっています。なぜ雨の日にブユなどが大量発生するのかよくわかりませんが、天敵のトンボが飛翔できないのも理由のひとつかもしれません。
 尾瀬では7月に入るとブユが大量発生するので雨の日の至仏山や燧ヶ岳の登山は、辛いものがあります。なんたって虫よけスプレーをかけても全然効きませんから。しかし、7月中旬にもなるとアキアカネやノシメトンボがやってくるので、かなり蚊やブユが減ってくれます。でも、雨が降ったり周囲で降っている時は再び出てくるんですよね。
 いまいましくもありますが、蚊やブユがやたら発生したら雨も降って二重の苦しみが待っていると覚悟したほうがいいかもしれません。

(3)カエルが鳴くと雨が降る

 これもよく言われることですが、確率的には60%位でしょうか。カエルは産卵期に入ると雨が止んだのを待って繁殖行動するため、雨の降る前にオスがゲコゲコ鳴いてメスを誘います。そのため、5〜7月なら当たらないこともないのですが、空中湿度が高い霧がかかったときにも鳴きますし、夏場は夜になれば毎日鳴くのでなんともいえません。

(4)ツバメやトンボが低く飛ぶと雨が降る

 これについても難しいところで、湿度の高い曇天のときにもツバメは低く飛んでいるし、もともと高く飛ばないトンボもいるので必ず雨が降るとは言い難いですね。この場合も確率的には60%程でしょうか。

 

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