日光白根山・周辺情報
*5月26日・菅沼 *5月26日・戦場ヶ原 *6月25日・北岐沢 *6月25日・鬼怒沼湿原 *6月25日鬼怒沼山・物見山
標高2,577.6mの日光白根山は、日光火山群の主峰であり関東以北の最高峰。周辺には金精山(こんせいざん)、五色山(ごしきさん)、前白根山などの山々が連なり、弥陀ヶ池や五色沼などの池をたたえております。活火山でもある日光白根山は気象庁が観測しているだけで6回確認されており、昭和27年が最後の噴火の記録とされています。
日光白根山といえばシラネアオイの咲く山として知られていますが、現在は咲いている姿を確認できればかなりラッキーといえるほど激減してしまいました。昔、弥陀ヶ池の斜面にはシラネアオイが一面に咲き乱れていたといいますが、今は電気柵が設けられ復元作業がはかられています。
(1)名前の由来
山麓が石英分の多い灰白色の溶岩で被われているので、白根山といわれます。実際登ると分かりづらいですが、他の山から眺めると非常にわかりやすいです。
(2)信仰の山
片品村東小川地区では、昔から荒山(白根)信仰があり、毎年隣組の組頭が交代で水垢離をとり装束小屋(七色平避難小屋)で身支度を整え、6尺の白木綿の鉢巻きをして、オガミ場まで登り、紙幣に似たボンデンをたててきました(現在の山頂)。
昔は旧暦の6月17日に登りましたが現在では普通の登山姿で8月1日に実施しています。白根山の降灰による農作物の被害が出ないよう登拝し祈願したのではないでしょうか。
(3)菅沼(すげぬま)、丸沼(まるぬま)
ともに白根山の溶岩によるせき止め湖で、なんと個人の所有地であるから恐れ多いものがあります。満水時の湖面標高が1731m、湖岸線は6.5kmもあり、上流から清水沼、弁天沼、北岐沼の3つにくびれ総称して菅沼と呼びます。北岐沼が最も深く63mで、金精道路開通以前は透明度が19mもあったそうですが、周囲の山や道路の側溝の水が流入するなどして、現在は10m程の透明度に落ちています。また、東京電力の発電に使われていることから水位の増減があり、湖岸が若干荒廃しかけています。
丸沼は以前、直径600mの楕円形の小湖でしたが、昭和5年に下流の大尻沼との間に東京電力のダムが造られたため、水位が28m上昇してしまいました。そのため現在は南北1200m、東西500mとなり、満水時の湖面標高が1428m、水深が50mとなっています。
(4)植生
亜高山帯であることから、オオシラビソやシラビソ林とコメツガ林、アスナロ林が多く、ダケカンバ林もあります。
標高2300m以上からの森林限界に入ると、白根山独特の極度に矮小化した高山植物が増えてきます。これは火山性の岩盤と寒冷な気候に加え、シカによる食圧と考えられます。とくに、ハクサンフウロやミヤマコウゾリナ、ミヤマセンキュウ、ハナイカリの矮小化は際立っていおり、変異種なのではと疑いたくなる程の小ささです。
弥陀ヶ池からのルートでは7月上旬にはハクサンシャクナゲ、8月に入るとハンゴンソウやマルバダケブキの黄色の花が一面に咲き乱れ、山頂手前で咲き乱れるトウヤクリンドウは日光白根山を象徴する花といっても過言ではないでしょう。霧の中の蛍光灯の明かりのように、ボーと怪し気に光り輝くトウヤクリンドウの姿は、あまりに幻想的です。
(5)入山にあたって
丸沼スキー場のゴンドラ敷設に伴いアプローチ方法も増え、今後登山者の増加が見込まれますが、植物への影響が心配です。尾瀬同様、日光国立公園特別保護地区に指定された山であるにもかかわらず、植物を持ち帰ったり足を踏み入れたりしている人が多いのが困りもの。一般的には鹿が矢面に立たされますが、それ以上に二本足の鹿?が悪さしているのです。持ち帰りとは逆に持ち込む人がいるのにはビックリで、コマクサがいい例。高山植物の代表でもあるコマクサは、確かにあれば嬉しいが本来存在しないものを植えられるとちょっと困っちゃいます。
尾瀬は有名なため様々な団体やボランティアの活動により手厚く保護されており、善意の行動は直ぐ報道されますが、日光白根山では地元の人達が細々とシラネアオイの復元作業をしているくらいであまり一般に知られていないのが残念です。登山道については丸沼高原スキー場の方と丸沼ペンション村の方が整備してくださったおかげで、大分よくなりました。
白根山には、シラネと名のつく植物も多く存在し特異な植物相を有していることから、学術上も貴重な山であり早急な保護が必要とされますが、当面、登山者のモラルに頼る以外方法はないようです。