50年以上にわたりオオゴマシジミ(蝶の一種で貝ではありません)の生態について研究され、日本におけるオオゴマシジミの第一人者である平賀壯太先生(理学博士、元大学教授、定年退官、現研究場所 京都大学医学研究科放射線遺伝学、一般向け著書『生物の惑星』)から宿主アリについての論文をいただきました。
マニアや専門家でなく一般の方がチョウの種名や生態について調べるのに利用されている山渓フィールドブックス「蝶」や保育社の検索入門「チョウA」などには、オオゴマシジミのホストはヤマアシナガアリ(ヤマトアシナガアリの同種異名)と記載されておりますが、これは、ヤマトアシナガアリではなくシワクシケアリであるとのこと。
当サイトへ掲載するにあたり著作権等承諾してくださった平賀壯太先生、日本鱗翅学会「やどりが」編集部の方々、そして何かとサポートしてくださった布施英明先生(尾瀬保護財団評議員)には、あらためて御礼申し上げます。
下記PDFファイルは知り合いの方へ添付ファイルとしてメールを送られても、自分のサイトにリンクしていただいてもよろしいとのことです。許可を頂いておりますので蝶に興味のある方は、知り合いの方へ頒布していただければ幸いです。
平賀壯太先生からは「他のサイト管理者にもこれを読んでいただき、納得したうえでヤマアシナガアリ
(ヤマトアシナガアリ)をシワクシケアリに訂正していただけると良いのですが」とのコメントをいただいております。
オオゴマシジミの宿主アリの再同定について (PDFファイル635KB)
アリ人工巣によるチョウの飼育法 (PDFファイル447KB)
オオゴマシジミの生態:第3報 (PDFファイル494KB)
ご覧いただくためには、PDFファイルの閲覧用ソフトが必要です。Acrobat
Readerをお持ちでない方は、下記URLをクリックし、ダウンロードしてからご覧ください。
http://www.adobe.co.jp/products/acrobat/readstep2.html
須藤志成幸先生(群馬県尾瀬保護専門委員、尾瀬保護財団評議員)が発表された尾瀬の植物目録に追加された新分布の植物について。
平成12年
ニワアジサイ<ユキノシタ科>…富士見峠
ハルリンドウ<リンドウ科>…尾瀬ヶ原、尾瀬沼等
テングノコヅチ<リンドウ科>…小淵沢
ユモトマムシグサ<サトイモ科>…富士見峠周辺
マムシグサ(カルイサワテンナンショウのタイプ)<サトイモ科>…竜宮付近
平成13年
ヒメデンダ(キタダケデンダ)<イワデンダ科>…景鶴山
シロヤナギ<ヤナギ科>…猫又川中流域
ニリンソウ<キンポウゲ科>…山ノ鼻
ホソバノツルリンドウ<リンドウ科>…赤田代
エゾムカシヨモギ<キク科>…滝ノ沢
シロウマアサツキ<ユリ科>…背中アブリ沢
フガクスズムシソウ<ラン科>…長沢、八木沢
平成14年
ミズタガラシ<アブラナ科>…赤田代
チシマネコノメソウ<ユキノシタ科>…与作沢
セイカクロクモソウ<ユキノシタ科>…燧ヶ岳
ミヤマワレモコウ<タデ科>…一ノ瀬、東電小屋周辺
エゾアオイスミレ<スミレ科>…一ノ瀬、山の鼻
シラユキスミレ<スミレ科>…山ノ鼻、尾瀬ヶ原
平成15年
コケオトギリ<オトギリソウ科>…尾瀬ヶ原
シロバナオオタチツボスミレ<スミレ科>…山ノ鼻
アラゲヒョウタンボク(オオバヒョウタンボク)<スイカズラ科>…滝ノ沢
ヤマトユキザサ<ユリ科>…燧ヶ岳、景鶴山
ヤマアゼスゲ<カヤツリグサ科>…山ノ鼻
移入植物は省きました。
武尊山における新分布植物
群馬県の先生方が調査をされていろいろ確認されているようですが、著作権等の問題もありますので管理者が見つけ県へ報告したものを掲載しておきます(たった3種ですが)。
ムラサキセンブリ、コウリンカ、アイズヒメアザミ
上記のうち2種の生育地は現在法人の所有地となり開墾され絶滅の可能性が非常に高くなっております。現在の法律ではストップしていただく手だては全くありません。これが現実の世界。個人的には尾瀬エリアを除く片品村内…いやいや群馬県内でも屈指の原風景を残す重要度の高い場所と認識していたため残念です。ちなみに、植物以外でも群馬県レッドデータブックに載っている動物が多数生息している場所。絶滅危惧種の生息地を調査していた意味が全くありませんね。何のために時間を費やしたんだか…。撮り貯めたポジフィルムが過去の遺産になってしまう日が来ないことを祈るばかり。
70歳以降の方に30年以上前はここもすばらしい景観だったんだと昔話をよく聞かせていただきます(高度経済成長期以前)。正直、「見たかった!」といつも思う。しかし、今の幼稚園児くらいの子は30年後に同じような問いかけを我々にするのかもね(バブル期以前の景観)。何で、残しておいてくれなかったのと。同じ想いはさせたくないと常々思っていましたが、なかなか難しいんだなこれが。大人の世界を知れば知るほど感情だけでは行動できない。やだね、年食うのは。ちなみに後生に伝えられず近年壊滅した片品村の原風景としてはサエラスキー場跡。バブルの後遺症は余りに痛い。
ただ、植物に関しては唯一残された手だてがあります。よく言われる埋没種子なる存在。自分の経験ですが、庭のガチガチに固まった土を掘り返した所や水抜き栓設置工事をしていただいた場所に突如フクジュソウやクリンソウが咲き乱れ驚いたことがありました。植物の種っちゅうのは何年も生きているんだね、と実感させられました。そう考えると、某スキー場で盗掘により絶滅したアツモリソウやベニバナヤマシャクヤクも復活できるのかも?と期待したいです。